第298話なんて大げさな話し手

「アトラ、細から……」

エミリーが薬草の名をひとつずつ口にしていくにつれ、

さっきまで落ち着いていたゾラの表情は、次第に引き締まっていった。

エミリーが挙げている薬草とその配合量が、まさしく自分の店の看板商品――つい先ほどエミリーの肌に塗った、美肌と滋養のためのクリームの処方そのものだと気づいたからだ。

エミリーが言い終えると、ゾラは手を引っ込め、顔つきはいっそう硬く、警戒に満ちたものになった。

「ジョンソンさん、本当のことを言って。わざわざ揉め事を起こしに来たの? この処方はどこで手に入れたの?」

エミリーが何らかの方法で自分の処方を入手したのではないか――そう疑ったのだ。

...

ログインして続きを読む